事態は相当深刻だ。
阪神は６日の楽天戦（Ｋスタ宮城）に３－８で惨敗。先発の安藤優也投手（３４）は５回に２ランを浴びるなど、５回８安打５失点。２番手の久保康友投手（３１）も２失点なら、３番手の渡辺亮投手（３０）も１失点と、計１４安打を浴びた。
苦しんだ原因は正捕手の不在だ。藤井彰人捕手（３５）が、前日５日の試合で走塁中に右太もも裏を痛め筋挫傷出場選手登録を抹消。
この日は、今季途中に日本ハムからトレード移籍した今成亮太捕手（２４）が先発マスクをかぶった。しかし「５回に２ランを打たれて流れを変えてしまった」と肩を落とす結果となった。
吉田康夫バッテリーコーチ（５０）は「まだ投手をはっきりつかんでいないし、無難にやっているけど、同じようなボールを打たれている。もっと思い切りの良さがほしい」と苦言を呈した。
だがベテランの藤井と、１軍経験わずか１６試合の今成では力量の差はいたしかたない。
ことし４月、藤井が顔面に死球を受けたことで球団側が緊急補強を検討。５月に若竹竜士投手（２４）との交換トレードで獲得した。
日本ハムの編成関係者が声をひそめて明かす。
「ウチは捕手のレギュラーに鶴岡と大野がいる。今季は高卒１年目の近藤（健介捕手）を育てていくことになった。今成は出場機会が厳しくなったところに、阪神から『ぜひ欲しい』と話があった」
いわば日本ハムの構想外となった捕手で戦わざるを得ないのが、今の阪神の現状なのだ。城島健司捕手がおらず、藤井も離脱。捕手不在が長引けば、まさに致命傷となる。
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